おりものと性器出血

妊娠すると月経は停止します。
心配する事のない通常の出血は妊娠初期にみられる着床出血(月経様出血)と、分娩直前の産兆(おしるし)くらいです。
妊娠中の主な病気は性器出血が主症状の事が多く注意が必要です。
妊娠中の上記二つ以外の出血は多くても少なくても異常があると判断して下さい。
もしおりものが赤や赤茶色、ピンクの場合は出血しているかもしれません。
早急に産婦人科の医師に相談し適切な処置を行って下さい。
すべての出血が危険なわけではありません。
性行為時の膣内の傷などで出血している場合もありますが、自己判断が難しく医師の判断に頼る方が確実です。
女性は感受性が強く、気遣いやさんが多く中々、病院に行きたがらない人もいますが、妊娠は女性にとっては一大イベント少し心配性になってお医者さんに迷惑をかけるくらいが丁度いいかもしれません。
出血の時期や量の多少、痛みや、痒みの有無などを聞かれる事があります。
適切な処置をうける為にもしっかりメモ帳などにメモしておきましょう。

妊娠初期妊娠後期その他に見られる性器出血の症状・特徴の一覧です。
なんらかのあてはまる症状がある場合は早急に医師に相談し
適切な処置や治療を行って下さい。

妊娠初期・前半期にみられる性器出血

流産による出血
流産の前兆として、子宮からの出血があります。
はじめは、少量でしだいに出血量が多くなり血のかたまり(凝血)のような物がでる事もあります。
下腹部痛や腹部の緊張感、腰痛、発熱を伴う事もあります。
子宮外妊娠による出血
予定月経を過ぎた妊娠初期から少量で不規則な出血、左右どちらかの下腹部痛を伴い肛門部の圧迫感、痛みを感じます。
貧血、吐き気、胸やけなどを伴う事もあります。
胞状奇胎による出血
断続的なはじめに少量で不規則な出血、赤色・赤茶色・ピンク・褐色のおりものがあります。
しだいに出血量が多くなり大出血がおこります。
強いつわり、吐き気、嘔吐、食事をうけつけなくなり約半数に卵巣のはれがみられます。

妊娠後期・後半期にみられる性器出血

早産による出血
はじめは少量の出血、赤色・赤茶色・ピンク・褐色のおりものが持続してみられます。
やがて出血量が増え陣痛が強くなると出血は止まります。
腹部のはりを伴い、破水からはじまる事もあります。
前置胎盤による出血
・警告出血
妊娠末期に少量の鮮赤色の出血が不規則に1〜2習慣続きます。
病状の変化によっては大出血になる事もあります。
痛みはほとんどないが出血量によっては貧血症状をおこします。
常位胎盤早期剥離による出血
子宮の内部で多量に出血しますが、性器からの出血が少ない特徴があります。
激痛を伴い、腹壁が硬くなり、陣痛発作の合間に出ます。
他に出血が黒い特徴があります。
貧血、むくみ(浮腫)を伴う事もあります。

性器出血・他

子宮膣部びらんや子宮頸管ポリープも性器から出血する事があります。
子宮膣部びらん
びらんとは、ただれのことですが、実際子宮膣部がただれているわけではなく、子宮の膣に面した部分の粘膜が、赤くただれているように見えるため、こう呼ばれます。
子宮膣部びらんは女性ホルモンのさかんな成熟期の女性には多く見られる症状で、大半は良性のものです。
また、生理のある女性の60〜70%が、子宮膣部びらんであると言われています。
これは病気ではないので心配の必要はありませんが、ただ子宮膣部びらんがあると、子宮頸管炎などの感染症を起こしやすくなります。
子宮膣部びらんは子宮頸がんの初期症状とよく似ているので、注意も必要です。
子宮頸管ポリープ
子宮頸管粘膜の増殖性病変で、茎をもつような形で発育して外子宮口から露出していきます。深紅色のポリープ(キノコ状の小さな腫瘍)で、多くは単発で発生し、数mm〜数cmの大きさです。30〜40代の多産婦に多くみられます。
がんなど悪性のものに変化することは、ほとんどありません。